Rabbit or Duck?

Chronicles of My Ambiguous Life

読書メモ6

 

クリエイティブ・マインドセット 想像力・好奇心・勇気が目覚める驚異の思考法

クリエイティブ・マインドセット 想像力・好奇心・勇気が目覚める驚異の思考法

 

 序章 人間はみんなクリエイティブだ!

創造力に対する自信があれば、不確実な状況を受け入れ、すぐさま行動に移すことができる。(344)

第1章 デザイン思考で生まれ変わる 

①着想(inspiration)

②統合(synthesis)

③アイデア創造(ideation)と実験(experimentation)

迅速な試作 を繰り返し行う段階へと進める。この段階では、アイデアをすばやくラフな形で表現する。人々の反応を確かめられる程度の具体性があれば十分だ。重要なのは、すばやく、ラフという点。ひとつのアイデアに力を入れすぎることなく、多様なアイデアを探るのだ。(541)

④実現(implementation)

 

しかし、創造的思考の持ち主は、唯一の正解がない問題に直面したとき、焦って判断を下そうとはしない。色々な解決策がありうることを念頭に置き、まずは大きく網を張ろうとする。(640)

 

第2章 恐怖を克服する

人々に小さな成功を積み重ねさせることで、自分の創造力を疑う気持ちを払いのけることができるのだ。(791)

 

「失敗ってのはいやな体験だが、次のステップを示してくれる」(870)

 

人は不安を抱えているとベストの力を発揮できないことに気づいた。(1142)

 

自分をさらけ出す能力、周囲の人々を信頼する能力こそ、創造的思考や建設的な行動を妨げている数々のハードルを乗り越えるきっかけになる。(1154)

 

あなたが芸術的スキルの曲線のどのあたりに位置するかは別として、まずは自分で判断するのをやめることだ。(中略)練習気分で、アイデアを絵にしてみよう。(1222)

 

公園の遊び場で、子どもが始めてすべり台をすべるところを見た経験はあるだろうか?ほとんどの子どもにとって、初めてすべるのは怖いものだ。(中略)そう、最大のハードルは初めてすべる瞬間にあるのだ。(1227)

 

結局のところ、いちばん大事なのはただひとつ。それは、周囲に前向きな変化を生み出せるという自信と、行動を起こす勇気だ。

 

大事なのは、自分が持っている才能と技術で何かができると信じることだ。(1250)

 

第3章 創造性の火花を散らせ!

イノベーションはどこでも起こりうる。その火種になるのは、飽くなき知的好奇心、楽観主義、最終的な成功のための何度も失敗することを受け入れる能力、懸命に働く意欲、アイデアだけでなく行動を重視する考え方なのだ。(1378)

クリエイティブな力を伸ばすために日ごろから心がけたい方法

  1. クリエイティブになると決意する。
  2. 旅行者のように考える。
  3. 「リラックスした注意」を払う。
  4. エンド・ユーザーに共感する。
  5. 現場に行って観察する。
  6. 「なぜ」で始まる質問をする。
  7. 問題の枠組みをとらえ直す。
  8. 心を許せる仲間のネットワークを築く。

クリエイティブな人々にはみな、ひとつの共通点があったという。ある時点で、クリエイティブになると決意したのだ(1398)

 

旅行者の視点を取り入れ、初心に返れば、普段なら見逃してしまうような細かな点にどんどん気づくだろう。(1472)

 

いくら自分の業界についての最新のブログや雑誌を読んだりして、一流の情報に触れていても、競争相手と全く同じデータを見ているかぎり、競争で優位に立つのは難しい。(1520)

 

最新の研究でも、具体的な作業やプロジェクトに取り組まず休んでいるとき、私たちの脳はアイデア、記憶、体験同士を予期せぬ形で結びつけることがわかっている。(1551)

 

共感とは、他者の目を通して体験をとらえる能力、人々がその行動をとる理由を理解する能力を指す。(1590)

共感とは、自分の先入観を疑い、自分が正しいと思うことをいったん脇にのけ、本当に正しいことを学ぶことなのだ。(1671)

どれだけ出世しても、どれだけ専門知識を身に付けても、常に新しい知識や洞察を取り入れることは欠かせない。(中略)情報に基づく直感が有効なのは、最新の正確な情報に基づいて判断した場合だけなのだ。(1725)

 

学習速度を上げる最良の方法のひとつといえば、質問をすることだ。「なぜ?」や「~だったらどうなるか?」というタイプの質問をすれば、表面的な細かい点を無視し、問題の核心に迫ることができる。(1748)

 

単に「なぜこの本がそんなに好きなの?」と聞く代わりに「この本を読むよう友だちを説得するとしたら、何て言う?」と聞き、質問をゲームに変えるのだ。つまり、“型どおり”の回答を避け、もっと有意義な答えを引き出すために、質問の枠組みをとらえ直しているわけだ。(1798)

 

インタビューテクニック

自分のニーズを表現できるほど自己認識(または語彙)がある人は少ないからだ。

共感とはむしろ、人々がはっきりと表現できない隠れたニーズを理解することだ。(1807)

解決策を探し始める前に、一歩下がって、掲げている疑問自体が正しいかどうかを確かめてみよう。(1844)

 

問題の枠組みをとらえ直すテクニック

  1. 明白な解決策から離れる。
  2. 焦点や視点を変える。
  3. 真の問題を突き止める。
  4. 抵抗や心理的な否定を避ける方法を探す。
  5. 逆を考える。

「私にはすべての答えがわかるわけではない」と(少なくとも心の中で)認めなければならない(1922)

 

おそらく、「偶然は、何度も実験を行い、想定外の出来事が起きた時に最新の注意を払う者に味方する」(1973) 

 

第4章 計画するより行動しよう

 

集中的な努力、すばやい改良の繰り返し、徹底した行動の結果(2065)

 

計画をなるべく減らし、行動をなるべく増やした。

個人であれ組織であれ、イノベーションや創造性にとって行動や改良の繰り返しがどれだけ欠かせないものかがわかる。(2075)

 

創造力に対する自信の持ち主は、「何かやってみる」という考え方を持っている。(2096)

多くの場合、クリエイティブになるための第一歩とは、傍観者でいるのをやめて、アイデアを行動に移すことなのだ。(2133)

 

バグ・リスト(問題点のリスト)の項目の多くは、あなたには解決できない問題かもしれないが、定期的に書き加えていれば、あなたでも影響を及ぼせる問題、解決に役立てる問題がふと見つかるだろう。問題点や不具合には、たいていデザインの機会が隠れている。(2154)

 

多くの人々は、「行動したい」と「行動する」の中間で身動きが取れなくなっている。(2162)

 

「~してみる」(try)という言葉には、ちょっとした言い訳が潜んでいるのだと言う。 

 

「今日は試すだけ。本格的に行動するのはまたこんど」と言っているようなものなのだ。(中略)目標を達成するには、今すぐ全力でやらなくてはならない。(2203)

 

すぐに"最高”の成果を出すのは難しい。だからこそ、すばやく改良を続けていくべきなのだ。(2230)

 

すばらしいものを作りたければ、まず作りはじめなければならない。

私たちは学生や同僚たちに、"雑”になるよう伝えている。完璧を追求するのではなく、すばやく試してみるように伝えているのだ(2255)

 

彼は「先延ばし」という現象に別の名前を付けることで、敵をとらえ直しているいるのだ。「先延ばし」というと、個人的な弱さのような感じがする。しかし、「抵抗」といえば、私たちが闘える敵だ。(2272)

 

「準備するのではなく、開始しなさい」(2284)

 

行動をするための刺激

  1. 助けを求める。:短期間だけ、人を雇ったり、協力的な同僚を仲間に入れたりして、助けを借りよう、しばらくのあいだ、自分の問題をほかの人に背負ってもらい、負担を分担してもうらうわけだ。
  2. 周囲からの圧力を生み出す。
  3. 聞き役を集める。
  4. 本気でやらない。:出来不出来に関する評価はいったん脇に置き、とにかく何かを形にしよう。
  5. ハードルを下げる。:目の前の問題が重大過ぎて、すべてがそこにかかっていると感じるなら、重要性を下げてみよう。(2302)

完璧な製品を計画しようとするのではなく、たくさんアイデアを出して改良していくことに時間を割く方が、より強力で革新的な製品を作れるに違いないと彼は考えていた。(2320)

 

制約をすばやい行動へと結びつける方法をいくつかご紹介しよう。

  1. 問題の実行可能な部分に取り組む。行動を始めるには、まずいちばんやさしい部分に取り組むのが肝心だ。どうすれば今すぐに前進できるかに着目し、選択肢を狭めるわけだ。
  2. 目標を狭める。行動に移せるようなもっと小さくて実現可能な目標を定めよう。
  3. 中間目標を定め、社会的な協定と結びつける。長期間のイノベーション・プロジェクトに取り組んでいる場合は、定期的な進捗の確認、ピア・レビュー、中間目標を設け、活動に"リズム”を作ろう。

今日のイノベーティブな企業は、公開市場で「リリースして学ぶ」という手法をとっている。開発サイクルが終わるまで待つのではなく、リリースしてからもテストし、反応を見る。そのフィードバックを製品に活かし、改良を繰り返していくわけだ。(2563)

 

より効果的で革新的なアイデアを生み出すうえで大事なのは、行動を最優先する考え方なのだと訴えている。

 

今ではアイデアを思い付いたら、30分でも、4時間でも、1週間がかりでもかまわないから、すぐにプロトタイプを作るのが当たり前だと思うようになりました。何かに興奮したら、とにかく行動を起こすわけです。(2648)

 

第5章 義務なんか忘れてしまえ

お金の方が価値を測るのは簡単だ。だからこそ、心の価値を測るには、少しだけ余分な努力が必要なのだ。(2694)

「人々は日常生活の些細なものごとにとられすぎるあまり、とらわれる必要がないという事実すらわすれてしまうことがあります。(2707)

 

あなたのキャリアや地位に関していちばん重要なのは、他人が付ける価値ではない。あなたが自分の仕事をどう見るかだ。大事なのは、あなた自身の夢、情熱、天職なのだ。(2789)

 

「多くに人は、アイデアやスキルを開拓する勇気がありません。ですから、行動するだけでも、99パーセントの人々よりは勝るわけです」(2851)

 

ハートを優先すればーーつまり仕事の中に情熱を見つければーー、心の中に蓄えられたエネルギーや情熱を活かし、解き放つことができる。そのためには、生活の中で自分が生き生きしていると感じる瞬間を書き留めるのもひとつの方法だ。(2875)

 

自問すべき3つの質問を表している。①あなたの得意なことは?②あなたがお金を稼げることは?③あなたはなにをするために生まれたのか?(2887)

 

あなた自身が満足感や充足感を抱ける物事を突き止めてほしい。そして、そういう物事をもっと生活に取り入れる方法を探してみよう。(2936)

毎日、「最高の気分だったのはいつだろう?」「仕事にもっともやりがいを感じたのは?」と自問する時間を設けよう。(2948)

 

だから、週末の趣味と仕事生活をオーバーラップさせる方法がないか、探ってみよう。(2957)

 

すばやく小さな実験は、その努力に見合う最高の価値がある。劇的な変化や全力投球の前に、別の分野の役職を味見してみる。

色々な役割を試すうちに、自分が意外な役割に惹かれていると気づくこともあるだろう。ほかの人が退屈だとかイライラすると感じる仕事を愛してやまない人々はたくさんいる。(2968)

 

勇気を何度も奮い起さなければ、潜在的な創造力はやがて消えていっていしまうだろう。(3005)

 

モニカがインスピレーションを影響力へと変えられたのは、第一歩を踏み出す勇気と最後までやり遂げる粘り強さがあったからだ。(3038)

 

「良くは見えるけど、良いと感じられない」ような立場や仕事から抜け出せずにいるなら、個人的な情熱と職場で実行できる選択肢とスイート・スポットを探ってみよう。新しいスキルを学ぼう。(3083)

 

第6章 みんなでクリエイティブになる

  1. 顧客に深く共感すること、
  2. 幅を広げてから絞り込むこと(すなわち、たくさんのアイデアを生み出してから、一つの解決策へと集約していくこと)、
  3. 顧客とともにすばやく実験を行うこと(3117)

企業が創造力に対する自信を獲得していく過程で5つの段階をたどると考えている。

第1段階は、マウロによれば、「純粋な否定」だ。

第2段階は、マウロの言葉を借りれば「内心の拒絶」だ。

第3段階は、マウロのいう「信頼」だ。

第4段階は、マウロのいう「自信の探求」だ。

第5段階は、マウロのいう「総合的な認識と統合」だ。(3221)

 

グループ内で、創造力に対する自信を育てるには、チームの社会生態学的な側面を考えるといい。人々は安心してリスクを冒し、新しいアイデアを試すことができるか?全員にとって耳の痛いことでも率直に話せる雰囲気がグループ・メンバー内にあるか?アイデアは企業階層の上下へのと自由に流れているか?(3267)

 

言葉が思考を作る

考え方や行動を変えるには、まず言葉遣いを変えるのが有効なのだ。

ジムの口から「できない」という言葉が出てくることは、文字どおりいちどもない。彼はこの恐ろしい言葉を発しないようにするため、できる物事を強調するような前向きな言い回しを使っている。たとえば、「~ならできる」という具合に。(3525)

 

ネガティブな会話のパターンに代わる表現のひとつでいえば、「どうすれば~できるだろうか?」(How might we...、直訳すると「私たちはどのように~しうるだろうか?」という言葉だ。(3550)

 

言葉の部分を正せば、行動に影響が出るのだ。(3566)

 

第7章 チャレンジ

 

リストはすでに頭の中にある考えの中から、最善の答えを見つけるのに適しているのに対し、マインドマップは思考の幅を広げたり常識にとらわれない考えを促したりするのに適している。(3796)

「I like/I wish」というツールは、建設的な批評をイノベーション・プロセスに取り入れるのにとても効果的だ。

まずは「I like...(良いと思う点は...)」で始まるポジティブな文章をつかって、素直に相手を褒める。次に「I wish...(希望を言うとすれば…)」で始まる文章で、改善点を提案するのだ。(3910)

 

第8章 その先へ

自分自身の創造力に対する自信を手に入れるには、いちどに一歩ずつ、行動するのがいちばんだ。つまり、小さい成功を積み重ねていくことが大切なのだ。(4149)

 

まずは、創造活動に関する目標を立てよう。たとえば、今後一か月間、1日1個以上、新しいアイデアや思い付きを日記に書き留めるのでもかまわない。自分に歯止めをかけないこと。評価を後回しにし、大胆なアイデアをとにかくたくさん生み出し、あなたにとっていちばん大事なものに飛び込むチャンスととらえるのだ。(4183)

 

何より、行動を最優先しよう。(4194)

 

少しずつの変化の方が、急激で革新的なアプローチよりも成功率は高い。(4282)

 

訳者あとがき

デザイン思考は(中略)一言でいえば、製品開発や問題解決にデザイナーの施行を取り入れる人間中心のアプローチといえるでしょう。人間を観察し、人間の話を聞き、人間に共感してニーズや問題を突き止め、アイデア創造、プロタイピング、テストを行い、人間からフィードバックを得ながら、コンセプトを反復的に改良していくーーーつまり、デザイン思考の中心にはいつも「人間」がいるわけです。(4472)

 

著者は、創造性を発揮するうえで、いちばん邪魔になるのは、「失敗したくない」という恐怖や、「恥をかいたらどうしよう」という不安だと言っています。(4502)