読書メモ18
- はじめに
- 序章 抽象化なくして生きられない
- 第1章 数と言葉
- 第2章 デフォルメ
- 第3章 精神世界と物理世界
- 第4章 法則とパターン認識
- 第5章 関係性と構造
- 第6章 往復運動
- 第7章 相対的
- 第8章 本質
- 第9章 自由度
- 第10章 価値観
- 第11章 量と質
- 第12章 二者択一と二項対立
- 第13章 ベクトル
- 第14章 アナロジー
- 第15章 階層
- 第16章 バイアス
- 第17章 理想と現実
- 第18章 マジックミラー
- 第19章 一方通行
- 第20章 共通と相違
- 終章 抽象化だけでは生きにくい
はじめに
33:「抽象」を扱う方法を、「具体」との対比で「わかりやすく」解説するのが本書の目的です。ただしその「わかりやすさ」は、具体の世界でいうわかりやすさとは違います。
序章 抽象化なくして生きられない
106:本書の目的は、この「抽象」という言葉に対して正当な評価を与え、「市民権を取り戻す」ことです。
第1章 数と言葉
147:言葉と数を生み出すのに必要なのが、「複数のものをまとめて、一つのものとして扱う」という「抽象化」です。
第2章 デフォルメ
第3章 精神世界と物理世界
第4章 法則とパターン認識
244:抽象化とは複数の事象の間に法則を見つける「パターン認識」の能力ともいえます。
第5章 関係性と構造
第6章 往復運動
291:「たとえ話」は、説明しようとしている対象を具体的につかんでもらうために、抽象レベルで同じ構造を持つ別の、かつ相手にとって卑近な世界のものに「翻訳」する作業といえます。説明したい新しい概念や事例を、身近な事例で似ているもの使って説明するのです。
294:たとえ話のうまい人とは「具体→抽象→具体という往復運動による翻訳」に 長けている人のことをいいます。
第7章 相対的
341:手段と目的の関係も、すべて相対的なものです。目的一つに対して手段は複数という形で階層が成立しますが、目的にはつねに、さらに抽象度の高い「上位目的」が存在します。
第8章 本質
372:つまり「抽象度のレベル」が合っていない状態で議論している(ことに両者が気づいていない)ために、かみ合わない議論が後を絶たないのです。
393:世の「永遠の議論」の大部分は、「どのレベルの話をしているのか」という視点が抜け落ちたままで進むため、永遠にかみ合わないことが多いのです。
419: 「本質をとらえる」という言い方がありますが、これもいかに表面事象から抽象度の高いメッセージを導き出すかということを示しています。
第9章 自由度
446:先人の「名言」は、抽象度が高い表現ばかりです。
第10章 価値観
502:実際は、組織の職場環境はおおむね「下流」の考え方に最適化されています。それは前述のとおり「仕事の量も人数も多く、万人にわかりやすいもの」が求められるからです。
509:価値観の違いに関しては、「質の上流 vs 量の下流」という視点もあります。
第11章 量と質
536:「よい法則」の一つの絶対的な条件は、「適用できる範囲が広い」ということです。つまり「一を聞いて十を知る」ことができる法則よりは「一を聞いて百を知る」ことができる法則のほうが、よりよい法則ということになります。
第12章 二者択一と二項対立
*この章に関しては、わかりにくかった。「項」と「者」の違いがわかりにくい。「項(抽象)、「者(具体)」ということなのか?具体と抽象、本書を通して出てくる三角形の説明に無理に当てはめてる感があって、この章だけは理解しにくかった。「二項対立」という言葉自体に白黒はっきり分ける態度という意味が含まれていると思うので、これを「アナログ的な考え方」と言えるのか?座標軸を提示するような見方は「二項対立」的ではないわけで、具体と抽象の話とは少しずれる気がして、読んでてしっくりこなかった。
第13章 ベクトル
587:哲学、理念、あるいはコンセプトといった抽象概念がもたらす効果は、個別に見ているとバラバラになりがちな具体レベルの事象に「統一感や方向性」を与えることであり、いわばベクトルの役割を果たしているのです。
599:個別の行動の判断に困ったときの拠り所となるのも、「最終的に何を実現したいか?」という長期的な上位目的です。「枝葉を切り捨てて幹を見る」という、抽象化の考え方がここで生きてきます。
第14章 アナロジー
620:アナロジーとはいわば「遠くからアイデアを借りてくる」ための手法といえます。
625:アナロジーとは、「抽象レベルのまね」です。具体レベルのまねは単なるパクリでも、抽象レベルでまねすれば「斬新なアイデア」となります。ここで重要になるのが、第5章で述べた「関係性」や「構造」の共通性に着目することです。
第15章 階層
第16章 バイアス
682:ルールや理論、法則は、大抵の場合は具体的に起こっている事象の「後追い」の知識だったはずです。ところが、一度固定化された抽象度の高い知識(ルールや法則等)は固定観念となって人間の前に立ちはだかり、むしろそれに合わない現実のほうが間違いで、後付けだったはずの理論やルールに現実を合わせようとするのは完全な本末転倒といえます。
第17章 理想と現実
第18章 マジックミラー
785:「見えている」側に立ったときに、「見えていない相手」にどのように対処すべきか、ということです。これは「見えている人」(見えてしまった人)が持つ、共通かつ永遠の悩みといえます。
第19章 一方通行
847:状況と相手に応じてちょうどよい抽象度でコミュニケーションすることが重要です。「抽象的だからわかりにくい」ということがクローズアップされがちですが、じつは「具体的すぎてわかりにくい」こともあるのです。
第20章 共通と相違
866:他人や他社の成功なり失敗なりが本質的に何に起因しているのか、抽象度を上げた特性を探り当てることです。