読書メモ5
第1章 集中できないのは意志が弱いからではない
集中テクニック① 気を散らせるモノを遠ざける
重要なポイントは「自分を信用しない」ことです。(118)
要は「気がとられそうなモノは、あらかじめ排除しておく」ということです。
集中テクニック② いやいや始めない
やる気が出ないけどまずは机についてみる―それが集中力にとっては命取りになります。その環境と「いやだ」というネガティブ感情を脳が結びつけて記憶してしまうからです。(127)
「感情と場所はセットで記憶される」ということを覚えておいてください。気分が乗らないのに仕事を無理に始めても、決して集中することはできないのです。(146)
集中テクニック③ 終わりの時間を決める
「ゴールを決めずにとにかく走る」というやり方で、当たり前ですがあっという間にバテてしまいます。「量」を先行させて仕事を進め、「質」を点検する時間は別枠で設ければいいのです。
没頭しながらリラックス
フローは面白い状態で、行為そのものに没頭しながら、リラックスもしているような状態です。
第三の幸せとしてのフロー
チクセントミハイは「フローとは、全人的に行為に没入しているときに人が感じる包括的感覚である」と定義しました。(220)
「快楽」は、一番わかりやすい幸福の要素です。(中略)そういったLike(好き)やWant(欲しい)と呼ばれる感覚です。
それに対して「意味」は、世のための人のためになることに幸せを感じることです。面白いのは、意味に幸せを感じられる人は、別にそこに快楽がなくてもいいのです。
幸せには2種類しかないと思われてきました。しかし、そこに突如として現れたのがフローです。
コラム1「仕事の終え方」についての研究
「どうやって仕事を終わらせればいいか?」
「未完了のまま課題を終える時は、これからどうやって仕上げるか、計画を立てよう」
「未完了の課題に私たちの心は占拠されます。ではどうすればいいのか?終える際にほんの少し時間を取って、これからどうやって仕上げるのか計画を立てることで、脳はその課題が終わったと認識するのです」(240)
フローに入る2ステップ
- 強いストレスを感じる
- 一気にリラックスする
フローをつくるには、ストレスとリラックスの両方が欠かせません。(256)
ストレスとリラックスは共存できるもので、両方とも高い状態が、フローだと考えられています。(261)
人は集中しているとき「まばたきの頻度が少なくなる」(327)
「まばたきの頻度が少なく(集中)」かつ「まばたきが安定している(リラックス))」と、フロー状態が続いているといえます。(327)
恐怖や怒りを感じたらチャンス!
簡単にいうと、強いストレスとは、「強い感情」です。(360)
ネガティブでもポジティブでもOK。
リラックスは呼吸から始まる
分析的に考えると、息を吸うときは交感神経が、息を吐くときには副交感神経が働いています。(中略)リラックスするには、深く呼吸する必要があるのです(380)
深呼吸ひとつとっても、いろいろなやり方がありますが、ここでは「3・2・5法」を紹介しておきましょう。3秒吸って、2秒溜めて、5秒ゆっくり吐く。(390)
深い呼吸をするためには、背筋を伸ばすことが必要です。
第3章「小さな目標」を立て続ける
大きな夢より、小さな目標
「フロー」に入り続けるために大事なこと。それは「小さな目標」をうまく立てることです。仕事に没入するためには、目の前の仕事に対して「小さな目標」を設定することが重要になります。
ここで重要になるのは、「小さな」という点です。これは決して、「簡単な」という意味ではありません(453)
1万時間の法則から学べること
次のような条件を満たす練習を1万時間やってはじめて、達人といわれるレベルまで到達できると報告しています。
- 他社の視点で設計された具体的な計画がある
- 反復可能なことである
- 結果へのフィードバックが継続して得られる
- 精神的な負担があり、集中が要求される
- 面白くない、苦手なことへの取り組みである
トップアスリートに学ぶ小さな目標の立て方
「大きな夢を持っていないアスリートなどいない」
小さな目標は2段階で設定する
トップアスリートに共通していたのは、日々の練習において、「大きな夢ではなく、小さな目標」を設定していたことでした。(500)
外的動機と内的動機を時期に応じて使い分けて「小さな目標」を設定することが重要(522)
つまり、始めるときは内的動機だったとしても、次第に外的動機に基づく目標設定に切り替え、その基準を上げていくことでパフォーマンスを向上させていた(532)
漫然と続けても成長はない
ビジネスパーソンでも高いパフォーマンスを上げ続けている人は「小さな目標」を設定するのが上手なのだと思います。(562)
外的動機をうまく活用して「小さな改善」を重ね、一定の「限界」を感じたところで内的な動機に向き合い、「他分野からの学び」を得ながら革新への向かうプロセスです。
がむしゃらな意志の力ではなく、不断の試行錯誤にほかなりません。(571)
フローに入り続けるための秘訣は、「小さな目標」を立てること。
コラム3 リカバリーと集中
- よし、これから集中するぞ!(ポジティブな言葉かけ)
- 軽いストレッチ(リラックス)
- これからやる仕事のプロセスを確認する(頭の中でリハーサル)
- 姿勢を正して座り、パソコンを起動する(動作に入る前のルーティーン)
第4章 「考えるためのプロセス」を定型化する
フローの前提条件とは?
反復可能なことである
反復可能=プロセスが定型化されている
集中して考えるための前提条件として、「考えるためのプロセス」そのものを定型化する必要がある(625)
「考えるとは何か?」を考える
「考える」領域を三つに分けてみた
Primitive(原始的)-Complex(複雑)
Primitive=前例のない挑戦
Complex=考えつくされた領域
実際は、この二つの領域の間に中間領域がある(685)
「前例のない挑戦」を行うときは、参考になる情報がないため、きわめて自由に考えることができます。ここで使うのは、「直観です」
「中間領域」では、ある程度の情報量と自由度があります。ここでは「論理」を使います。
「考えつくされた猟奇」では、情報の海に溺れ、考えるための自由度が一見ほとんど残されていません。ここで頼りになるのが「大局観」です(692)
考えるプロセスは6パターン
3つの思考法の「向かい側」には、別の思考法があることにも気づきました。
「直観」に対しては「ひらめき」です。脳科学的にみると、直観は好き・嫌いといった「感情」をベースにした思考法なのに対し、ひらめきは完全に思いつき、つまりランダムな思考法です。
「論理」に対しては「経験」
「大局観」に対しては「バイアス」(703)
どれが正しくて、どれが間違っているということではありません。結局、大事なのはアウトプットです。そこに至るまでのプロセスが「論理」なのか「経験」なのか、それはどちらでもいいのです。
安定した思考パターン→直観、論理、大局観
不安的な思考パターン→ひらめき、経験、バイアス(715)
第5章 人生100年時代の働き方
うかつにモチベーションを上げてはならない
習慣とは、何のモチベーションもない状態でも無意識に続けられること
(790)
五つの専門分野を身に着ける
(862)
横軸に「スキル」、縦軸に「分野」をとったときに、同じところ(A)で何回転職しても意味がありません。最終的にはスキルも分野も違う領域(D)をどれだけ味わえるかが、自分の幅を広げることにつながります。
立ち返るべき母港を持とう
幅広い分野で経験を積むことが大事だといいましたが、そうするには前提があります。最初に与えられた領域で、まずは圧倒的な成果を残すことです。
まずは、一刻も早く母港と呼べる場所をつくること。そしてそこから人生の大海原へと打って出ること。
何のためのフローか
質のより集中力を発揮できれば、50歳になるまでに複数の専門を身につけ、人生の後半戦に備えることができる。(910)
隠れた主人公→それは「感情」
集中するための準備段階では、仕事をいやいや始めてはいけないことを指摘しました。脳が「いやだ」という感情を記憶してしまうからです。
超集中状態である「フロー」に入るためには、強い感情を作ることが最初の一歩でした。
さらに「フロー」に入り続けるために重要な「小さな目標」は、感情の面から言えば「ちょっと不安になるくらいの目標」です。
付録 継続は力なり
- 選択肢を減らそう
- きちんと寝よう
- 飽きたらやめよう
- 厳格になりすぎない
- 意志のせいにしない
- 「楽しい」を大事にしよう
- うかつに始めない
- 変えてもOK-不調のときには普通に戻すことを最優先に。
- 余白をもとう
- みんなとやろう