読書メモ6
クリエイティブ・マインドセット 想像力・好奇心・勇気が目覚める驚異の思考法
- 作者: デイヴィッド・ケリー,トム・ケリー,千葉敏生
- 出版社/メーカー: 日経BP社
- 発売日: 2014/06/20
- メディア: 単行本
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序章 人間はみんなクリエイティブだ!
創造力に対する自信があれば、不確実な状況を受け入れ、すぐさま行動に移すことができる。(344)
第1章 デザイン思考で生まれ変わる
①着想(inspiration)
②統合(synthesis)
③アイデア創造(ideation)と実験(experimentation)
迅速な試作 を繰り返し行う段階へと進める。この段階では、アイデアをすばやくラフな形で表現する。人々の反応を確かめられる程度の具体性があれば十分だ。重要なのは、すばやく、ラフという点。ひとつのアイデアに力を入れすぎることなく、多様なアイデアを探るのだ。(541)
④実現(implementation)
しかし、創造的思考の持ち主は、唯一の正解がない問題に直面したとき、焦って判断を下そうとはしない。色々な解決策がありうることを念頭に置き、まずは大きく網を張ろうとする。(640)
第2章 恐怖を克服する
人々に小さな成功を積み重ねさせることで、自分の創造力を疑う気持ちを払いのけることができるのだ。(791)
「失敗ってのはいやな体験だが、次のステップを示してくれる」(870)
人は不安を抱えているとベストの力を発揮できないことに気づいた。(1142)
自分をさらけ出す能力、周囲の人々を信頼する能力こそ、創造的思考や建設的な行動を妨げている数々のハードルを乗り越えるきっかけになる。(1154)
あなたが芸術的スキルの曲線のどのあたりに位置するかは別として、まずは自分で判断するのをやめることだ。(中略)練習気分で、アイデアを絵にしてみよう。(1222)
公園の遊び場で、子どもが始めてすべり台をすべるところを見た経験はあるだろうか?ほとんどの子どもにとって、初めてすべるのは怖いものだ。(中略)そう、最大のハードルは初めてすべる瞬間にあるのだ。(1227)
結局のところ、いちばん大事なのはただひとつ。それは、周囲に前向きな変化を生み出せるという自信と、行動を起こす勇気だ。
大事なのは、自分が持っている才能と技術で何かができると信じることだ。(1250)
第3章 創造性の火花を散らせ!
イノベーションはどこでも起こりうる。その火種になるのは、飽くなき知的好奇心、楽観主義、最終的な成功のための何度も失敗することを受け入れる能力、懸命に働く意欲、アイデアだけでなく行動を重視する考え方なのだ。(1378)
クリエイティブな力を伸ばすために日ごろから心がけたい方法
- クリエイティブになると決意する。
- 旅行者のように考える。
- 「リラックスした注意」を払う。
- エンド・ユーザーに共感する。
- 現場に行って観察する。
- 「なぜ」で始まる質問をする。
- 問題の枠組みをとらえ直す。
- 心を許せる仲間のネットワークを築く。
クリエイティブな人々にはみな、ひとつの共通点があったという。ある時点で、クリエイティブになると決意したのだ(1398)
旅行者の視点を取り入れ、初心に返れば、普段なら見逃してしまうような細かな点にどんどん気づくだろう。(1472)
いくら自分の業界についての最新のブログや雑誌を読んだりして、一流の情報に触れていても、競争相手と全く同じデータを見ているかぎり、競争で優位に立つのは難しい。(1520)
最新の研究でも、具体的な作業やプロジェクトに取り組まず休んでいるとき、私たちの脳はアイデア、記憶、体験同士を予期せぬ形で結びつけることがわかっている。(1551)
共感とは、他者の目を通して体験をとらえる能力、人々がその行動をとる理由を理解する能力を指す。(1590)
共感とは、自分の先入観を疑い、自分が正しいと思うことをいったん脇にのけ、本当に正しいことを学ぶことなのだ。(1671)
どれだけ出世しても、どれだけ専門知識を身に付けても、常に新しい知識や洞察を取り入れることは欠かせない。(中略)情報に基づく直感が有効なのは、最新の正確な情報に基づいて判断した場合だけなのだ。(1725)
学習速度を上げる最良の方法のひとつといえば、質問をすることだ。「なぜ?」や「~だったらどうなるか?」というタイプの質問をすれば、表面的な細かい点を無視し、問題の核心に迫ることができる。(1748)
単に「なぜこの本がそんなに好きなの?」と聞く代わりに「この本を読むよう友だちを説得するとしたら、何て言う?」と聞き、質問をゲームに変えるのだ。つまり、“型どおり”の回答を避け、もっと有意義な答えを引き出すために、質問の枠組みをとらえ直しているわけだ。(1798)
インタビューテクニック
自分のニーズを表現できるほど自己認識(または語彙)がある人は少ないからだ。
共感とはむしろ、人々がはっきりと表現できない隠れたニーズを理解することだ。(1807)
解決策を探し始める前に、一歩下がって、掲げている疑問自体が正しいかどうかを確かめてみよう。(1844)
問題の枠組みをとらえ直すテクニック
- 明白な解決策から離れる。
- 焦点や視点を変える。
- 真の問題を突き止める。
- 抵抗や心理的な否定を避ける方法を探す。
- 逆を考える。
「私にはすべての答えがわかるわけではない」と(少なくとも心の中で)認めなければならない(1922)
おそらく、「偶然は、何度も実験を行い、想定外の出来事が起きた時に最新の注意を払う者に味方する」(1973)
第4章 計画するより行動しよう
集中的な努力、すばやい改良の繰り返し、徹底した行動の結果(2065)
計画をなるべく減らし、行動をなるべく増やした。
個人であれ組織であれ、イノベーションや創造性にとって行動や改良の繰り返しがどれだけ欠かせないものかがわかる。(2075)
創造力に対する自信の持ち主は、「何かやってみる」という考え方を持っている。(2096)
多くの場合、クリエイティブになるための第一歩とは、傍観者でいるのをやめて、アイデアを行動に移すことなのだ。(2133)
バグ・リスト(問題点のリスト)の項目の多くは、あなたには解決できない問題かもしれないが、定期的に書き加えていれば、あなたでも影響を及ぼせる問題、解決に役立てる問題がふと見つかるだろう。問題点や不具合には、たいていデザインの機会が隠れている。(2154)
多くの人々は、「行動したい」と「行動する」の中間で身動きが取れなくなっている。(2162)
「~してみる」(try)という言葉には、ちょっとした言い訳が潜んでいるのだと言う。
「今日は試すだけ。本格的に行動するのはまたこんど」と言っているようなものなのだ。(中略)目標を達成するには、今すぐ全力でやらなくてはならない。(2203)
すぐに"最高”の成果を出すのは難しい。だからこそ、すばやく改良を続けていくべきなのだ。(2230)
すばらしいものを作りたければ、まず作りはじめなければならない。
私たちは学生や同僚たちに、"雑”になるよう伝えている。完璧を追求するのではなく、すばやく試してみるように伝えているのだ(2255)
彼は「先延ばし」という現象に別の名前を付けることで、敵をとらえ直しているいるのだ。「先延ばし」というと、個人的な弱さのような感じがする。しかし、「抵抗」といえば、私たちが闘える敵だ。(2272)
「準備するのではなく、開始しなさい」(2284)
行動をするための刺激
- 助けを求める。:短期間だけ、人を雇ったり、協力的な同僚を仲間に入れたりして、助けを借りよう、しばらくのあいだ、自分の問題をほかの人に背負ってもらい、負担を分担してもうらうわけだ。
- 周囲からの圧力を生み出す。
- 聞き役を集める。
- 本気でやらない。:出来不出来に関する評価はいったん脇に置き、とにかく何かを形にしよう。
- ハードルを下げる。:目の前の問題が重大過ぎて、すべてがそこにかかっていると感じるなら、重要性を下げてみよう。(2302)
完璧な製品を計画しようとするのではなく、たくさんアイデアを出して改良していくことに時間を割く方が、より強力で革新的な製品を作れるに違いないと彼は考えていた。(2320)
制約をすばやい行動へと結びつける方法をいくつかご紹介しよう。
- 問題の実行可能な部分に取り組む。行動を始めるには、まずいちばんやさしい部分に取り組むのが肝心だ。どうすれば今すぐに前進できるかに着目し、選択肢を狭めるわけだ。
- 目標を狭める。行動に移せるようなもっと小さくて実現可能な目標を定めよう。
- 中間目標を定め、社会的な協定と結びつける。長期間のイノベーション・プロジェクトに取り組んでいる場合は、定期的な進捗の確認、ピア・レビュー、中間目標を設け、活動に"リズム”を作ろう。
今日のイノベーティブな企業は、公開市場で「リリースして学ぶ」という手法をとっている。開発サイクルが終わるまで待つのではなく、リリースしてからもテストし、反応を見る。そのフィードバックを製品に活かし、改良を繰り返していくわけだ。(2563)
より効果的で革新的なアイデアを生み出すうえで大事なのは、行動を最優先する考え方なのだと訴えている。
今ではアイデアを思い付いたら、30分でも、4時間でも、1週間がかりでもかまわないから、すぐにプロトタイプを作るのが当たり前だと思うようになりました。何かに興奮したら、とにかく行動を起こすわけです。(2648)
第5章 義務なんか忘れてしまえ
お金の方が価値を測るのは簡単だ。だからこそ、心の価値を測るには、少しだけ余分な努力が必要なのだ。(2694)
「人々は日常生活の些細なものごとにとられすぎるあまり、とらわれる必要がないという事実すらわすれてしまうことがあります。(2707)
あなたのキャリアや地位に関していちばん重要なのは、他人が付ける価値ではない。あなたが自分の仕事をどう見るかだ。大事なのは、あなた自身の夢、情熱、天職なのだ。(2789)
「多くに人は、アイデアやスキルを開拓する勇気がありません。ですから、行動するだけでも、99パーセントの人々よりは勝るわけです」(2851)
ハートを優先すればーーつまり仕事の中に情熱を見つければーー、心の中に蓄えられたエネルギーや情熱を活かし、解き放つことができる。そのためには、生活の中で自分が生き生きしていると感じる瞬間を書き留めるのもひとつの方法だ。(2875)
自問すべき3つの質問を表している。①あなたの得意なことは?②あなたがお金を稼げることは?③あなたはなにをするために生まれたのか?(2887)
あなた自身が満足感や充足感を抱ける物事を突き止めてほしい。そして、そういう物事をもっと生活に取り入れる方法を探してみよう。(2936)
毎日、「最高の気分だったのはいつだろう?」「仕事にもっともやりがいを感じたのは?」と自問する時間を設けよう。(2948)
だから、週末の趣味と仕事生活をオーバーラップさせる方法がないか、探ってみよう。(2957)
すばやく小さな実験は、その努力に見合う最高の価値がある。劇的な変化や全力投球の前に、別の分野の役職を味見してみる。
色々な役割を試すうちに、自分が意外な役割に惹かれていると気づくこともあるだろう。ほかの人が退屈だとかイライラすると感じる仕事を愛してやまない人々はたくさんいる。(2968)
勇気を何度も奮い起さなければ、潜在的な創造力はやがて消えていっていしまうだろう。(3005)
モニカがインスピレーションを影響力へと変えられたのは、第一歩を踏み出す勇気と最後までやり遂げる粘り強さがあったからだ。(3038)
「良くは見えるけど、良いと感じられない」ような立場や仕事から抜け出せずにいるなら、個人的な情熱と職場で実行できる選択肢とスイート・スポットを探ってみよう。新しいスキルを学ぼう。(3083)
第6章 みんなでクリエイティブになる
- 顧客に深く共感すること、
- 幅を広げてから絞り込むこと(すなわち、たくさんのアイデアを生み出してから、一つの解決策へと集約していくこと)、
- 顧客とともにすばやく実験を行うこと(3117)
企業が創造力に対する自信を獲得していく過程で5つの段階をたどると考えている。
第1段階は、マウロによれば、「純粋な否定」だ。
第2段階は、マウロの言葉を借りれば「内心の拒絶」だ。
第3段階は、マウロのいう「信頼」だ。
第4段階は、マウロのいう「自信の探求」だ。
第5段階は、マウロのいう「総合的な認識と統合」だ。(3221)
グループ内で、創造力に対する自信を育てるには、チームの社会生態学的な側面を考えるといい。人々は安心してリスクを冒し、新しいアイデアを試すことができるか?全員にとって耳の痛いことでも率直に話せる雰囲気がグループ・メンバー内にあるか?アイデアは企業階層の上下へのと自由に流れているか?(3267)
言葉が思考を作る
考え方や行動を変えるには、まず言葉遣いを変えるのが有効なのだ。
ジムの口から「できない」という言葉が出てくることは、文字どおりいちどもない。彼はこの恐ろしい言葉を発しないようにするため、できる物事を強調するような前向きな言い回しを使っている。たとえば、「~ならできる」という具合に。(3525)
ネガティブな会話のパターンに代わる表現のひとつでいえば、「どうすれば~できるだろうか?」(How might we...、直訳すると「私たちはどのように~しうるだろうか?」という言葉だ。(3550)
言葉の部分を正せば、行動に影響が出るのだ。(3566)
第7章 チャレンジ
リストはすでに頭の中にある考えの中から、最善の答えを見つけるのに適しているのに対し、マインドマップは思考の幅を広げたり常識にとらわれない考えを促したりするのに適している。(3796)
「I like/I wish」というツールは、建設的な批評をイノベーション・プロセスに取り入れるのにとても効果的だ。
まずは「I like...(良いと思う点は...)」で始まるポジティブな文章をつかって、素直に相手を褒める。次に「I wish...(希望を言うとすれば…)」で始まる文章で、改善点を提案するのだ。(3910)
第8章 その先へ
自分自身の創造力に対する自信を手に入れるには、いちどに一歩ずつ、行動するのがいちばんだ。つまり、小さい成功を積み重ねていくことが大切なのだ。(4149)
まずは、創造活動に関する目標を立てよう。たとえば、今後一か月間、1日1個以上、新しいアイデアや思い付きを日記に書き留めるのでもかまわない。自分に歯止めをかけないこと。評価を後回しにし、大胆なアイデアをとにかくたくさん生み出し、あなたにとっていちばん大事なものに飛び込むチャンスととらえるのだ。(4183)
何より、行動を最優先しよう。(4194)
少しずつの変化の方が、急激で革新的なアプローチよりも成功率は高い。(4282)
訳者あとがき
デザイン思考は(中略)一言でいえば、製品開発や問題解決にデザイナーの施行を取り入れる人間中心のアプローチといえるでしょう。人間を観察し、人間の話を聞き、人間に共感してニーズや問題を突き止め、アイデア創造、プロタイピング、テストを行い、人間からフィードバックを得ながら、コンセプトを反復的に改良していくーーーつまり、デザイン思考の中心にはいつも「人間」がいるわけです。(4472)
著者は、創造性を発揮するうえで、いちばん邪魔になるのは、「失敗したくない」という恐怖や、「恥をかいたらどうしよう」という不安だと言っています。(4502)
今年にかける思い(2018年)
早速、今年にかける思いを書く。
今年は「書くこと」をやっていきたい。学術的なもの、日々の記録を作り出し、これまでの書き物を手直しして整理しようと思う。
毎年、ここでは精神的なことや、仕事の仕方についてよく書くのだけど、ここ数年、同じ環境にいるので、少しばかりやり方がわかってきた。精神に関しては、人と比べることを少なくし、人の話に耳を傾け、前向きに揺らぎ続けるということ。仕事に関してはには、準備を怠らないこと、ひと手間を惜しまないこと、他人の仕事を尊重することだろう。とにかく、これを継続していけたらよい。
そろそろ、次の仕事に向けて準備もしていこうと思う。
もう5年以上言っているoutput、これに尽きるわけで。とにかく、書こう。
2017年振り返り
2017年の目標は、今年は“attack"と“resilience"だった。
自分から仕掛けていくというattackと、逆境からの回復という意味でのresilience。
attackはよくできたと思う。ひと手間かけて、自分なりに繰り出した1年だった。その収穫もそれなりにあって、ここでの生活を豊かにしてくれている。また、いいレベルでhard workできたと思っている。
resilienceはあったと思う。実はどんな逆境があっただろうかと思い返してみても、それほど思いつかない。でも、逆境がはそれなりにあったと思う。それでも、1年通して仕事をできたし、resilienceもついてきたと思う。もちろん、まだ満足できるレベルではないけど、いろんなことを「しかたない」という言葉でかたづけた1年だったと思う。
しかし、毎年12月は体調を崩したり、けがをしたりしている。来年は気をつけたい。
今年も1年いろいろな人に助けられ、優しくしてもらい、自分の役割を果たすことができた。環境に感謝したい。
来年はどんな年にしよう。
読書メモ5
第1章 集中できないのは意志が弱いからではない
集中テクニック① 気を散らせるモノを遠ざける
重要なポイントは「自分を信用しない」ことです。(118)
要は「気がとられそうなモノは、あらかじめ排除しておく」ということです。
集中テクニック② いやいや始めない
やる気が出ないけどまずは机についてみる―それが集中力にとっては命取りになります。その環境と「いやだ」というネガティブ感情を脳が結びつけて記憶してしまうからです。(127)
「感情と場所はセットで記憶される」ということを覚えておいてください。気分が乗らないのに仕事を無理に始めても、決して集中することはできないのです。(146)
集中テクニック③ 終わりの時間を決める
「ゴールを決めずにとにかく走る」というやり方で、当たり前ですがあっという間にバテてしまいます。「量」を先行させて仕事を進め、「質」を点検する時間は別枠で設ければいいのです。
没頭しながらリラックス
フローは面白い状態で、行為そのものに没頭しながら、リラックスもしているような状態です。
第三の幸せとしてのフロー
チクセントミハイは「フローとは、全人的に行為に没入しているときに人が感じる包括的感覚である」と定義しました。(220)
「快楽」は、一番わかりやすい幸福の要素です。(中略)そういったLike(好き)やWant(欲しい)と呼ばれる感覚です。
それに対して「意味」は、世のための人のためになることに幸せを感じることです。面白いのは、意味に幸せを感じられる人は、別にそこに快楽がなくてもいいのです。
幸せには2種類しかないと思われてきました。しかし、そこに突如として現れたのがフローです。
コラム1「仕事の終え方」についての研究
「どうやって仕事を終わらせればいいか?」
「未完了のまま課題を終える時は、これからどうやって仕上げるか、計画を立てよう」
「未完了の課題に私たちの心は占拠されます。ではどうすればいいのか?終える際にほんの少し時間を取って、これからどうやって仕上げるのか計画を立てることで、脳はその課題が終わったと認識するのです」(240)
フローに入る2ステップ
- 強いストレスを感じる
- 一気にリラックスする
フローをつくるには、ストレスとリラックスの両方が欠かせません。(256)
ストレスとリラックスは共存できるもので、両方とも高い状態が、フローだと考えられています。(261)
人は集中しているとき「まばたきの頻度が少なくなる」(327)
「まばたきの頻度が少なく(集中)」かつ「まばたきが安定している(リラックス))」と、フロー状態が続いているといえます。(327)
恐怖や怒りを感じたらチャンス!
簡単にいうと、強いストレスとは、「強い感情」です。(360)
ネガティブでもポジティブでもOK。
リラックスは呼吸から始まる
分析的に考えると、息を吸うときは交感神経が、息を吐くときには副交感神経が働いています。(中略)リラックスするには、深く呼吸する必要があるのです(380)
深呼吸ひとつとっても、いろいろなやり方がありますが、ここでは「3・2・5法」を紹介しておきましょう。3秒吸って、2秒溜めて、5秒ゆっくり吐く。(390)
深い呼吸をするためには、背筋を伸ばすことが必要です。
第3章「小さな目標」を立て続ける
大きな夢より、小さな目標
「フロー」に入り続けるために大事なこと。それは「小さな目標」をうまく立てることです。仕事に没入するためには、目の前の仕事に対して「小さな目標」を設定することが重要になります。
ここで重要になるのは、「小さな」という点です。これは決して、「簡単な」という意味ではありません(453)
1万時間の法則から学べること
次のような条件を満たす練習を1万時間やってはじめて、達人といわれるレベルまで到達できると報告しています。
- 他社の視点で設計された具体的な計画がある
- 反復可能なことである
- 結果へのフィードバックが継続して得られる
- 精神的な負担があり、集中が要求される
- 面白くない、苦手なことへの取り組みである
トップアスリートに学ぶ小さな目標の立て方
「大きな夢を持っていないアスリートなどいない」
小さな目標は2段階で設定する
トップアスリートに共通していたのは、日々の練習において、「大きな夢ではなく、小さな目標」を設定していたことでした。(500)
外的動機と内的動機を時期に応じて使い分けて「小さな目標」を設定することが重要(522)
つまり、始めるときは内的動機だったとしても、次第に外的動機に基づく目標設定に切り替え、その基準を上げていくことでパフォーマンスを向上させていた(532)
漫然と続けても成長はない
ビジネスパーソンでも高いパフォーマンスを上げ続けている人は「小さな目標」を設定するのが上手なのだと思います。(562)
外的動機をうまく活用して「小さな改善」を重ね、一定の「限界」を感じたところで内的な動機に向き合い、「他分野からの学び」を得ながら革新への向かうプロセスです。
がむしゃらな意志の力ではなく、不断の試行錯誤にほかなりません。(571)
フローに入り続けるための秘訣は、「小さな目標」を立てること。
コラム3 リカバリーと集中
- よし、これから集中するぞ!(ポジティブな言葉かけ)
- 軽いストレッチ(リラックス)
- これからやる仕事のプロセスを確認する(頭の中でリハーサル)
- 姿勢を正して座り、パソコンを起動する(動作に入る前のルーティーン)
第4章 「考えるためのプロセス」を定型化する
フローの前提条件とは?
反復可能なことである
反復可能=プロセスが定型化されている
集中して考えるための前提条件として、「考えるためのプロセス」そのものを定型化する必要がある(625)
「考えるとは何か?」を考える
「考える」領域を三つに分けてみた
Primitive(原始的)-Complex(複雑)
Primitive=前例のない挑戦
Complex=考えつくされた領域
実際は、この二つの領域の間に中間領域がある(685)
「前例のない挑戦」を行うときは、参考になる情報がないため、きわめて自由に考えることができます。ここで使うのは、「直観です」
「中間領域」では、ある程度の情報量と自由度があります。ここでは「論理」を使います。
「考えつくされた猟奇」では、情報の海に溺れ、考えるための自由度が一見ほとんど残されていません。ここで頼りになるのが「大局観」です(692)
考えるプロセスは6パターン
3つの思考法の「向かい側」には、別の思考法があることにも気づきました。
「直観」に対しては「ひらめき」です。脳科学的にみると、直観は好き・嫌いといった「感情」をベースにした思考法なのに対し、ひらめきは完全に思いつき、つまりランダムな思考法です。
「論理」に対しては「経験」
「大局観」に対しては「バイアス」(703)
どれが正しくて、どれが間違っているということではありません。結局、大事なのはアウトプットです。そこに至るまでのプロセスが「論理」なのか「経験」なのか、それはどちらでもいいのです。
安定した思考パターン→直観、論理、大局観
不安的な思考パターン→ひらめき、経験、バイアス(715)
第5章 人生100年時代の働き方
うかつにモチベーションを上げてはならない
習慣とは、何のモチベーションもない状態でも無意識に続けられること
(790)
五つの専門分野を身に着ける
(862)
横軸に「スキル」、縦軸に「分野」をとったときに、同じところ(A)で何回転職しても意味がありません。最終的にはスキルも分野も違う領域(D)をどれだけ味わえるかが、自分の幅を広げることにつながります。
立ち返るべき母港を持とう
幅広い分野で経験を積むことが大事だといいましたが、そうするには前提があります。最初に与えられた領域で、まずは圧倒的な成果を残すことです。
まずは、一刻も早く母港と呼べる場所をつくること。そしてそこから人生の大海原へと打って出ること。
何のためのフローか
質のより集中力を発揮できれば、50歳になるまでに複数の専門を身につけ、人生の後半戦に備えることができる。(910)
隠れた主人公→それは「感情」
集中するための準備段階では、仕事をいやいや始めてはいけないことを指摘しました。脳が「いやだ」という感情を記憶してしまうからです。
超集中状態である「フロー」に入るためには、強い感情を作ることが最初の一歩でした。
さらに「フロー」に入り続けるために重要な「小さな目標」は、感情の面から言えば「ちょっと不安になるくらいの目標」です。
付録 継続は力なり
- 選択肢を減らそう
- きちんと寝よう
- 飽きたらやめよう
- 厳格になりすぎない
- 意志のせいにしない
- 「楽しい」を大事にしよう
- うかつに始めない
- 変えてもOK-不調のときには普通に戻すことを最優先に。
- 余白をもとう
- みんなとやろう
読書メモ4
疲れない脳をつくる生活習慣―働く人のためのマインドフルネス講座
- 作者: 石川善樹
- 出版社/メーカー: プレジデント社
- 発売日: 2016/01/28
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瞑想は万能の力を鍛えるベースメソッド
瞑想をするうえで大切なことは、「調身」「調息」「調心」の3つです。(138)
- 調身=姿勢 背筋を伸ばしたら、一度肩を落としましょう
- 調息=呼吸 5秒ぐらいかけて鼻から吸い、10秒から15秒かけてゆっくりと鼻あるいは口から吐きましょう。
- 調心=集中・観察 初心者に人は呼吸に集中するのがいいでしょう。例えば、呼吸の数を「ひと~つ」「ふた~つ」と数えていくと、呼吸に集中しやすくなる。
瞑想開始後は、呼吸に集中できていても、しばらくすると別のことにを考えて、注意が散漫になる。そういうときは「あ、まずい」などと焦らず、「散漫になったな」と自分の状態を落ち着いて観察し、呼吸に注意を戻します。(154)
ひらめきやすい脳を作る「観察瞑想」
調心のもうひとつの方法は、瞑想中の思考や感情、体の変化などを、いちいち立ち止まって吟味しないで、観察しながら受け流すというもので、こうした瞑想のことを「観察瞑想」といいます。
- 思考・感覚が拡散する
- 思考・感覚が拡散していることに気づく
- 気づいた思考や感覚を観察する
次世代のメンタルトレーニング「マインドフルネス」
マインドフルネスの定義は「いまここでの経験に、評価や判断を加えることなく、能動的に注意を向けること」(286)
新しい習慣を身につける方法
- 少しずつ始める
- いつもの習慣の「ついでに」始める
- 本来の目的以外の喜びを得る(392)
1日5分の瞑想。その積み重ねが「疲れない脳」をつくり上げていく(401)
「不眠の3症状」
③早朝覚醒…起きたい時間より早く目が覚めてしまう
モンテッソーリ教育、ツールズ・オブ・マインド、武道の共通要素
・姿勢をよく活動し、深い呼吸をする
・予想外の刺激があったときに、それに惑わされず、自分が決めたことにちゃんと集中できるようにする(707)
ドローイン・エクササイズ
胸を張って、細いズボンをはくイメージでおへその下をひっこめる。
この状態を10~30秒続けてください。(716)
血糖値のコントロール
イライラしないための有効な手段
「血糖値を一定にコントロールする」(756)
3~4時間ごとに食べ物を摂取すると、血糖値が一定になる
朝は3つの「た」から始める。
「太陽」「タンパク質」「炭水化物」
マインドフルネスの定義は「いまここでの経験に、評価や判断を加えることなく、能動的に注意を向けること」(1005)
マインドフルに生きるための一日の過ごし方
- 毎日、決まった時間に起床する
- タンパク質と炭水化物をミックスした朝食を食べる(卵、ハム、ツナ、納豆)
- 体を動かしながら、太陽の光を浴びる
- ドローイン・ウォーキングで出社する
- 深い呼吸をして、背筋を伸ばす(鼻から5秒吸い、10~15かけてゆっくり吐く)
昼
- 低GI食のメニューを選ぶ
- サラダ→タンパク質→炭水化物の順に食べる
- 「ながらランチ」をしない
- 3~5分間の瞑想トレーニングをする
- 水を飲む(座りすぎない)
- 仮眠を活用する
- 肩のストレッチをする
夜
- なるべく自分で料理する
- ゆっくりと食べる
- 夕食は就寝2~4時間前に済ませる
- 刺激の強い光を浴びない
- 就寝1時間前に軽いストレッチをする
- お風呂の温度は少しぬるめ
- 寝る時間と起きる時間をあらかじめ決めておく
「こう(これ)でなければならない」を減らす
自分のあるべき姿を追い求めているうちに、ずいぶん、いろいろなこと(もの)を「こう(これ)でなければならない」と決めてきた気がする。そうやって、自分を形作ってきた半面、いつの間にか、決まりに縛られているような、融通の利かない自分になっているような気もする。
自分の好きな物、能力を発揮できる物で固めることは楽しく、気持ちの良いことだと思う。ただ、いつも、そういったものが自分の周りにあるわけではない。特に海外で生活していると。これという一つの物でないと発揮できない力より、何を使っても、それなりにできる力(対応、適応)を持っていたいと思う。
「こと」については、もう何年も自分の中で決まりをたくさん作ってきた。仕事、人間関係、生き方等々、それが今の自分を作り出している。点を定めて、そこに到達できるように、そんな点をいくつも作ってきた。
だけど、実際は到達できる点と到達できない点があり、到達できないと落ち込むこともある。いつも、その点を目がけて上に上に背伸びをしていた気がする。なんだか、横の動きがない。
「こうでなければならない」よりも「こうでさえなければ、いい」という考え方ができないだろうか。点を目指すのではなく、線(面)を乗り越える感じ、その線を高めに設定できれば、到達に広がりが出てきたり、過程をポジティブにとらえられる気がする。
今ある「こうでなければならない」を「こうでさえあれば、いい」に変えていこうかと考えている。